中国清代皇室の離宮・円明園から流失したと見られている文化財「青銅虎■(■は瑩の玉が金)」が英国・カンタベリーで12日のオークションに出品され、最終的に41万ポンド(約6273万円)で落札された。これに対して、中国国家文物局は強い抗議を行い、中国オークション業界協会芸術委員会も、「中国の全ての文化財オークション企業は今後、当該オークション業者と協力しない」との声明を出した。北京青年報が報じた。
円明園から略奪された青銅器の可能性大
英国時間11日午前10時、中国西周(紀元前1100-771年)の時代に製作された青銅器「虎■」が英国ケント州東部に位置するカンタベリーで行われたオークションに出品され、41万ポンドで落札された。報道によると、購入者は電話でオークションに参加し、誰であるかは明らかになっていない。非常に珍しいこの青銅器は、円明園から流失した文化財と見られている。蓋の上と口がトラの形になっていることからその名が付けられた。カンタベリーのオークション業者によると、類似の青銅器はこれまでに6点しか発見されておらず、今回のものは7点目。3000年前のものと推定され、その価値は12-20万ポンド(約1836-3000万円)と見られていた。
今のところ、これが円明園から流失した文化財であると確認されたわけではない。ただ、この青銅器の以前の所有者である英国海軍上校のハリー・ルイス・エバンス氏は家族宛ての手紙の中で、円明園を破壊した時に青銅器などの貴重な文化財を略奪した過程を詳しく記録しており、その手紙と文化財が一緒に発見された。オークション開催前、英紙「デイリーメール」は「小さな家で見つかった略奪物」と題する記事を掲載し、中国から流出したこの青銅器を紹介。「この非常に貴重な文化財は、1860年に英国軍が中国で略奪したもので、3500年の歴史を持つ。その後、ケント州の海辺の村にある小さな家で見つかった」と伝えた。
中国円明園学会学術専門委員会の委員である劉陽氏は取材に対して、「文化財そのものや関連の資料などの証拠をつなげて考えると、円明園にあった文化財と見てまず間違いないだろう。このレベルの青銅器は、清の第6代皇帝・乾隆が鑑賞するためのものだった。理論的に乾隆の時代に収蔵されたこの種の文化財はたくさんあり、100%絶対とは言えないが、乾隆帝の時代のものの確率が最も高い」との見方を示した。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn