4月23日は第23回目となる「世界本の日(世界図書・著作権デー)」。中国大学メディア連盟はこのほど、大学生912人を対象にアンケート調査を実施した。回答者を専攻別に見ると、47.04%は理系、52.96%は文系だった。中国青年報が伝えた。
読書スタイルについて、回答した大学生のうち54.82%は、「読書は今も紙の書籍が中心」と回答。「電子書籍リーダーを使う」は38.27%、「スマホで読む」52.85%だった。その中で「オーディオブックが好き」と答えた大学生が13.38%いたことは、注目に値する。このオーディオブックの具体的なスタイルとしては、「朗読した音声を流すオーディオブック」や「微信(Wechat)による音声配信」、「朗読マシンや朗読アプリの利用」などが挙がった。
浙江省の大学に通う張橙さんは、「自分の周りには、ネット文学作品に熱中している友達が非常に多く、各種ネット文学閲覧アプリを使って読書する習慣を持っている。ネット文学の人気の一因として、『参加型』である一面をあげられる。著者が作品を創作する際に読者はリクエストを出し、著者が一章を完成させると、自身の日常の出来事を少し書き加え、コメント欄で読者と交流することができる。多くの人は、『小説を追っかける』プロセスで、オリジナルのストーリーを一緒に立ち上げていくような楽しみを得られる」と話した。
西南交通大学の呉向婷さんは、「普段の勉強ではパソコンで資料を探してダウンロードすることが多いが、ニュースや小説を読むときには、スマホを使うことの方が多い。スマホは小さくて、携帯しやすく、いつでもどこでも読むことができるから」と述べた。
中国大学メディア連盟の調査によると、1日の平均読書時間について、「30分未満」と答えた大学生は31.58%、「30分~1時間」は41.89%、「2時間以上」は9.76%だった。
江蘇省の大学1年生、楊鈞舒さんは、寝る前のちょっとした時間に読書をする習慣があるという。楊さんにとって、すき間時間を利用した読書には、得るところが大きい。「すき間時間に読書することで、せわしい日常生活の中でも、しばし充実感を味わうことができる。そして、このような断片的なやり方こそが、吸収・回想・嗜好のためのより大きな空間を生むことができる。課題を達成するときのように、集中的に知識を詰め込むことで『窒息』してしまうようなことはない」と楊さんは話す。
南通大学中国共産主義青年団委員会(団委)全メディア研究・運営センター指導教員の張露瑩氏は、「すき間時間の読書は、ふだんの学習やプライベート活動にとって有益な補充とはなるが、決して、しっかりとした学習や掘り下げた読書に取って代わるものではない。また、簡単な写真や文章が中心のすき間時間読書によって、人々は、深読み読書の能力や興味をだんだんと失ってしまい、焦燥感や浮ついた感情などのマイナス情緒が強まってしまう恐れがある」との見方を示した。
張氏は、「我々はこうした浮つきから解放されるべきであり、時間の合理的配分や計画を練り、自身の発展の必要に応じて短期や長期の目標を定め、関連書籍のしっかりした読書計画と併せて、自分を育てていくような読書体系を構築しなければならない」と続けた。
読書の内容を選択するとき、「受験対策補習など実用性の高い書籍を選ぶ」と答えた学生は54.17%に達した。「文学書」は23.25%で、「古典」は19.74%と、いずれもかなり少ない。「個人の知識を広げてくれる書物を選びたい」は42.11%、「試験勉強を念頭において内容を選ぶ」は37.5%だった。
効率的な読書がますます重要視されている現状について、中山大学中国語学部の肖剣・講師は、「このような傾向は、過度に非難することはないが、少なくとも、実用性と本当の知識の獲得を重視して読書すべきだ。生きるための手段となる様々な技能の向上を謳ったノウハウ本の類については、あくまでも実用読書というスタンスを取ること。中国文明や西洋文明を伝承するような書籍、つまり人としての質の変化を促すような古典書籍は、心の奥に染み入るまで、何度も繰り返し丹念に読む必要がある」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年4月24日
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