夜更けまでスマホに熱中している若者は少なくないが、彼らは睡眠不足となるだけでなく、メンタルヘルスの面でも問題が生じる傾向がある。携帯端末の夜間使用と利用者のメンタルヘルスの関係性をテーマとした研究報告が、このほど初めて発表された。報告によると、夜更けまでスマホに熱中する行為は、自尊心や対応力の低下を招き、さらにはうつ病を引き起こす恐れもあるという。台湾「中時電子報」の報道を引用して中国新聞網が伝えた。
オーストラリア・マードック大学(Murdoch University)の研究チームは、4年の歳月を費やし、13歳から16歳の学生1101人に対する追跡調査を実施し、夜間の携帯端末利用および睡眠行為と健康状態の変化との関係をめぐる観察を続けた。
研究報告によると、時間の経過にともない、夜間の携帯利用と質の良くない睡眠行為との間には「正比例」の関係が見られるようになった。また、睡眠状況の変化によって、うつになりやすい傾向がさらに高まると同時に、自尊心と対応力の低下が観察された。
某基金会の心理衛生センター主任を務める葉氏は、「2014年、米マサチューセツ州にあるブリッジウォーター州立大学(Bridgewater State University)が大学1年の新入生642人を対象とした研究を実施したところ、彼らの8割は、『両親が、自分が寝たと思っている時間からさらに平均1時間から2時間スマホをいじっている』と答えた。常に夜更ししている学生のうち、『自分のうつ傾向で悩んでいる』人は42%に達した」と紹介した。
ある療養所の児童・青少年精神科に勤める陳医師は、「若者が長い間スマホを手放さない主な理由として、ゲームとSNS閲覧が挙げられる。保護者は、適度に休息しなければならないと子供に注意すべきだ。というのも、脳は一定の生理的なリズムを持っているため、睡眠状況が変化すると、心身の健康に悪影響が及ぶ恐れがあるからだ」と指摘した。
葉氏は、「スマホは、若者が友人との心理的な繋がりを維持するための重要なツールとなっている。親は、子供に対してスマホの利用を一切禁じる必要はないが、スマホを買う前に1日の利用上限時間を定めたり、スマホを触るのは宿題が終わってからにするなど、正しい使い方を伝えなければならない。同時に、親自身も子供のお手本となるよう心掛けるべき」とアドバイスしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年6月25日
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