中国のインターネット大手・騰訊(テンセント)にホテル分野への投資で新たな動きがあった。インドのメディアが25日に伝えたところによると、インド最大の格安ホテル予約プラットフォームのOYO roomsが新たな資金調達を計画中であり、調達額は3億~5億ドル(1ドルは約110.8円)になる見込みで、騰訊がリードインベスターとして参加の意向を示しているという。業界の情報によれば、騰訊は今回の資金調達についてコメントを発表していないが、投資が順調に行われれば、騰訊は傘下のホテル業務を大幅に強化し、ビジネス版図をますます確固としたものにすることになる。「北京商報」が伝えた。
報道によると、最新の資金調達によってOYOの時価総額は20億ドルを超える可能性があり、実現すれば昨年の前回資金調達時の8億5千万ドルの2倍以上になる。OYOは今回の資金調達で騰訊と交渉するほか、他の中国の戦略的投資家や金融分野の投資家とも交渉を進めている。資料をみると、OYOは2017年に深センでサイトを開設し、格安ホテルチェーンブランドの位置づけで、現在は中国47都市でホテル事業を展開する。
注目されるのは、騰訊の業界の枠を超えたホテル分野での事業展開は今回が最初ではないということだ。傘下の巨大ユーザ規模を誇るSNSアプリ「微信」(WeChat)はすでにオンライン旅行サービスの芸竜、ホテルシステム開発の北京住哲信息技術有限公司と共同で「騰訊エコホテル」を打ち出している。昨年10月にはインスタントメッセンジャーの「騰訊QQ」が旅行産業大手の広東長隆集団と戦略的協力関係を結び、これから長隆ペンギンホテルをベースに、QQファミリースマートルームを共同で打ち出すほか、QQ-AR、QQウォレット、QQ会員などの商品の技術をめぐって全面的協力を展開し、共同で世界初のQQスマートホテルを開設する予定だ。別の情報によれば、香港のプライベート不動産ファンド・基滙資本と騰訊の創業者・馬化騰氏らが立ち上げた財団が目下、1億ユーロ(1ユーロは約130.0円)を上限にフランス領ポリネシアのボラボラ島にある高級ホテル・フォーシーズンズリゾートボラボラを買収する計画を進めているという。
これについて業界関係者は、「ここ数年、騰訊は文化・娯楽、EC、旅行などの分野で継続的に投資を行い、ビジネス版図を徐々に強化してきた。ホテル市場獲得を目指すその背後には、オンライン観光市場の戦略的高地にあるホテル産業を獲得することで、会員のビッグデータを取得し、阿里巴巴(アリババ)との決済分野での戦いに備えたいとの思惑がある。騰訊傘下の微信は、滴滴出行、同程旅遊、芸竜、大衆点評網などの第三者サービス企業と結びついており、この強大なフローを擁するモバイル端末の入り口がホテル事業を後押しする一定の力をもつことは確かだ。だが騰訊のホテル分野の配置ではまだ具体的な成果を上げた事例がなく、ネット会社と伝統的ホテルとの協力が順調に収益を生み出せるかどうかは、しばらく様子をみる必要がある」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年7月26日
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