中国はトウヨウミツバチの発祥地だ。分子生物学などの研究方法の推進に伴い、ミツバチの新発見が相次いでいる。働き蜂は勤労であるばかりか、天敵への情報処理能力など、人々に知られていなかった多くの能力を持つ。
研究者によると、ミツバチとスズメバチはいずれも社会性を持つ昆虫で、危機に遭遇すると一種の警報フェロモンを出す。このフェロモンは通常、毒液内に貯められており、刺激を受けると針を使い、毒液とフェロモンを放出する。
中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園化学生態研究チームの譚墾研究員が率いるチームは、ミツバチとスズメバチの「獲物―捕食者関係」を利用し、ミツバチの捕食されないようにする対策を詳細に研究し、驚きの結果を導き出した。
研究者は、ミツバチやスズメバチのフェロモンは、トウヨウミツバチの集団的防御を引き起こすことを発見した。うち「IPA」と略称される物質は、フェロモンのうち団結の反応を最も引き起こしやすい成分だ。C9H18O、C21H42Oなどのスズメバチのフェロモン成分も、ミツバチの団結の反応を強化する。イタリアミツバチ、クロオビミツバチなどを中心とするセイヨウミツバチは、自らのフェロモンのみに反応し、スズメバチのフェロモンに反応せず、電気生理学的応答を起こさない。
これらの結果によると、同じ地域で生息するトウヨウミツバチは自らのフェロモンを使うほか、スズメバチのフェロモンを盗聴し、警報情報を交流することで団結し、スズメバチの攻撃に備えることができる。異なる地域で生息するセイヨウミツバチには、スズメバチのフェロモンを盗聴する能力がない。そのため捕食者のスズメバチに対するミツバチのフェロモン盗聴能力は、進化の賜物だと確認できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年7月27日
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