中国農業農村部(省)の于康震副部長は24日の記者会見で、「今回の科学観測に基づき推算すると、中国の長江スナメリの数は約1012頭に達する。この結果は、長江スナメリの激減が抑えられていることを示しているが、極度の絶滅危惧の状況に変化はなく、依然として厳しい状況だ」と述べた。科技日報が伝えた。
中国農業農村部は2017年11月10日から12月31日の52日間に渡り、「2017年長江スナメリ生態科学観測」を実施した。湖北省宜昌市から上海までの長江本流1669キロ、洞庭湖、■陽湖(■は番におおざと)をカバーした。
于氏によると、この1012頭のうち本流が約445頭で、人からの影響の少ない区間に集中している。過半数の水域では数が引き続き減少するか、発見されなかった。群れの分布が断片的になっている。洞庭湖は約110頭、■陽湖は457頭だ。これらの湖では、豊水期は広く分布し、渇水期は主に河床や大型砂場に分布する。
于氏は、「長江スナメリの極度な絶滅危惧の現状が根本的に改善されていないのは、主に人類活動の影響があるからだ。この要素は依然として長江スナメリの生存状況を脅かす主因だ。水質汚染、プロジェクト建設、水運発展、過度な漁獲、違法な砂採掘などの人類活動は、長江スナメリを直接的・間接的に脅かし、その生息地を少なくしてしまう」と指摘した。
激減を抑制するため、中国農業農村部は長江の本流と洞庭湖、■陽湖に8ヶ所の長江スナメリ現場自然保護区を設立し、長江故道で4ヶ所の移転保護区を設立し、人工環境で3ヶ所の繁殖・保護群を形成した。
湖北省天鵝洲保護区の移転長江スナメリの数は、1990年の5頭から80頭弱に増加している。何王廟及び安慶西江の2ヶ所の移転保護区の数も、それぞれ14頭、22頭に達している。移転保護されているスナメリの数は全体で100頭以上となっており、子供が毎年10頭前後生まれている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年7月26日
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