中国社会科学院民族学・人類学研究所社会室と中国社会工作聯合会企業公民委員会は22日、北京民族大学で新書「老舗緑書(2017-2018)」の発表イベントを共同で行った。中国新聞網が報じた。
中国人民大学の劉謙教授は、「老舗に関する研究のキーワードを『独特』、『時間』、『現代化』の3つにまとめることができる。もう少し詳しく述べると、信用体系の独特性、老舗の歴史の把握、実際の生活の中における老舗を活用した現代化実現が研究のテーマとなる。その他、老舗が非常に発展しているインターネットをいかに活用し、基準化とローカライズの結合を実現して、産業体系を構築しながら、それぞれ地元の特色を保っていくのかという点についても研究している」と紹介した。
天津社会科学院の李培志氏は、「社会の老舗に対する注目度が高くなっていることを背景に、研究と政府を結びつけ、開放の可能性を拡大させなければならない。また、老舗を都市の発展と結びつけ、その独特性とシンボル性を活用し、老舗が真の意味で都市の代名詞、コレクティブ・メモリー文化となるよう働きかけ、老舗を通してその都市の『味』を味わうことができるようにしなければならない」との見方を示した。
今回で5冊目となる老舗緑書(老舗緑書(2017-18)は、老舗の研究の最新成果をまとめており、大きく分けて3つのパートに分かれている。第一部は「総論」、第二部は「各省の老舗協会の2017年度の取り組み成果」、そして第三部は「老舗の価値体系」、「ブランドの延伸とブランド再構築」、「老舗の現代モデルチェンジ」、「老舗の地域性、国際性」、「飲食、食品系の老舗」、「海外の老舗」をテーマにした特定項目研究で、計15篇の文章が収録されている。
現在、インターネットが人々の生活のあらゆる分野に浸透しており、伝統民族企業である老舗もインターネット時代に突入している。今回発表された老舗緑書には、山東省の老舗が例として取り上げられている。同省の老舗協会統計によると、15年、同省の老舗企業の規模は平均5億100万元(約83億6670万円)で、16年は5億4100元(約87億4800億円)だった。そして、17年は5億8900元(約95億2400万円)に達したと見られている。つまり毎年平均8.43%のペースで成長している計算になる。このように、老舗企業の平均規模は毎年拡大している。また、15年、老舗企業92社が、各種ネット通販プラットフォームに合わせて184店舗を開設し、ネット通販による売上が33億4700万円(約541億2100億円)に達した。16年も、企業のネット通販を活用した販売ルート拡大は加速し、その売上が40億元(約6470億円)に達した。17年、ネット通販を活用している老舗企業は178社に達し、その売上は前年同期比26%%以上増の49億元(約792億円)に達したと見られている。このように、老舗は、時代の変化に積極的に適応し、インターネットという新たな販売ルートを活用して、新たな活力を得ている。
老舗の発展の歴史を見ると、老舗は現在、復興・モデル転換の段階に位置し、社会的価値と経済的価値の再建と実現を目指している。伝統の継承とイノベーションという観点から見ると、企業自体の問題や外的環境の要素などから、老舗企業は往々にしてイノベーションが不足しているものの、一部の老舗企業は積極的にイノベーションを模索しており、発展の新たな局面を開拓している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018 年8月24 日
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