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篠原涼子と西島秀俊が生と死の境界に迫る 映画「人魚の眠る家」 (2)

人民網日本語版 2018年11月01日14:26

「人魚の眠る家」で、東野圭吾は人生や人間性について深く熟考している。奇異な犯罪や残忍な殺人事件が起きるわけではないものの、この小説の内容は非常に残酷で、人を絶望させる状況を描いている。東野圭吾デビュー30周年記念作品である同作品は、「死」に新たな定義を加え、社会問題に鋭くスポットを当てている。感情と倫理・モラルの間に矛盾が生じた場合、どのような選択をしなければならないのだろう?法律が定める境界と社会の判断に差がある場合、どんな選択をしなければならないのだろう?

人間とは感性の生き物であるのかもしれない。薫子は自分の決めたことを貫く。理性は、「正しい選択とは何か」を人に告げるが、感情は、人にそれとは全く反対の決定をさせ、毎日クモの巣に引っかかったような絶望に襲われるとしても、その決定を貫かせることがある。社会の発展や科学の進歩により、人々の「常識」に対する認識も変化しており、最終的な判断を下すのはいつも自分だ。しかし、どのような状況でも、生と死の隔たりを超えることができるのは愛だけで、理性的な答えも、最終的には人の感情には勝てない。

同小説が刊行された時、東野圭吾は、「こんなことを書くべきか迷った。脳死患者を死んだと見なすかについては、これまでずっと議論されてきた。物語の中の瑞穂は眠った人魚のようで、目を覚ますことは永遠にない。そして、植物人間とは違い、自己意識もとっくになくなっている」と語った。東野圭吾は、これまでにない忍耐力を発揮して、人の心の世界をじっくりと描き、人間性について深く分析している。ある読者は、「最後までずっと涙を流しながら読んでいた。それでも、最後には生きる勇気が得られた。一筋の光が、寒い部屋に差し込み、何かが少しずつ溶けたような気分だ」と感想を綴っている。(編集KN)

「人民網日本語版」2018年11月1日


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