中国科学院プラズマ研究所が11月13日に発表した情報によると、中国の大型科学装置「人工太陽」が10メガワット以上の加熱力、300キロジュールのプラズマエネルギー貯蔵容量、および1億度のプラズマ中心の電子温度を初めて達成した。得られた実験パラメータが将来の核融合炉の安定運転モードに必要な物理的条件に近いものであるため、核融合炉の将来の実験運用に向けて重要な一歩を踏み出したほか、人類が核融合クリーンエネルギーを利用する上でも重要な技術的基礎を築いたと言える。
「東方超環」(EAST)はプラズマ研究所が自ら設計し、研究開発した磁気閉じ込め核融合実験装置。海水中の大量のデューテリウムとトリチウムを高温条件で太陽のように核融合反応を発生させることで人類にクリーンエネルギーを絶え間なく提供することを目指している。そのため「人工太陽」とも呼ばれている。この大型科学装置は核融合エネルギーの将来のビジネス化を狙っており、ここ数年、高性能や安定状態、長パルスプラズマの研究においてオリジナルの成果を複数手にしている。
2018年のEAST物理実験は4ヶ月以上にわたり続けられ、物理実験は将来の核融合炉の安定した運用モデルの発展と長パルス運転における核心的な科学技術的な問題をめぐり、高い効率で加熱する時の核融合炉内の物理メカニズムについて一連の実験を行った。また高パラメータ条件下での多種加熱技術の結合、電流駆動、及びプラズマ制御などを最適化させることを通じて、理論と数値シミュレーションを組み合わせ、10メガワット以上の加熱力と300キロジュールのプラズマエネルギー貯蔵容量を実現した。そのほか、電子サイクロトロンと低クラッタが相乗的に加熱する状態では、プラズマ中心の電子温度が1億度に達した。EASTによって得られたこれらの実験結果は、国際熱核融合炉の将来における運用及び中国核融合実験炉CFETRプロジェクトとその物理的な設計に重要な実験的基礎と科学的サポートを提供している。(編集HQ)
「人民網日本語版」2018年11月14日
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