日産自動車、フランスのルノー、三菱自動車工業の会長であり、かつて「日産の救世主」と呼ばれたカルロス・ゴーン氏は、一夜にして「とらわれの身」となった。ゴーン氏逮捕の報を受けて、関連各社の株価は20日に急落した。業界には、日産は度重なる不祥事の影響で、業績が曲がり角を迎えて低迷する見込みで、ルノー・日産・三菱アライアンスも打撃を受けるとの見方が広がる。「北京商報」が伝えた。
▽「とらわれの身」
逮捕の前日、豪腕で鳴らした自動車産業トップのゴーン氏は、ルノー・日産連合の代表者、日産の会長などの要職にあり、またゴーン氏が掌握するルノー・日産・三菱アライアンスは2017年に世界最大の自動車・小型商用車グループに躍進したところだった。それが一転して、ゴーン氏は金銭をめぐる虚偽記載により「とらわれの身」となった。問題は3社にも波及し、20日の日産の株価は19日の終値に比べて6%以上下落し、ルノーの株価も汎欧州取引所で15%下落した。
問題の直接の導火線は報酬の過少申告だ。NHKと共同通信社の報道によれば、過去5年間に、ゴーン氏は計100億円の報酬を得ていながら、半分の50億円しか申告しなかった。日産が公開した資料では、ゴーン氏の16年以前の年俸はいずれも10億円を超えていたという。
謹厳な日本人は、身内の調査でも決して手を緩めない。日産の西川広人最高経営責任者(CEO)は19日夜の記者会見で、ゴーン氏の3つの不正行為を指摘した。東京証券取引所への有価証券報告書の虚偽記載、公金の私的流用、権限の過度な集中だ。
▽「救世主」
ゴーン氏の光り輝く数十年のキャリアにこのような幕切れが待っていたとは、一体誰が想像できただろうか。現在はあくまで容疑の段階だが、これほど不面目な状況は、日本で「ビジネス界の巨星」とされてきた64歳のゴーン氏には、まったく似つかわしくない。
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