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北極地域の「地位」向上 鉱産資源の開発狙う

人民網日本語版 2019年01月23日10:29

地球温暖化が深刻化するにつれて、極寒の地・北極の地位が日増しに高まっている。

このほど、中国地質科学院鉱産資源研究所鉱床環境評価研究室主任の趙元芸研究員は、「気候温暖化による北極氷雪の溶解は中国における気候の異常変化及び自然災害の増加に繋がっている。しかし、気候温暖化にも利点も見られている。北極氷雪の溶解が北極圏の開発利用条件を改善しつつあり、世界各国に北極航路の利用と北極資源の開発に新しいチャンスを提供しているからだ」との見方を示した。

北極とは通常、北極圏の北側の地域を指しており、総面積は約2100万平方メートル、そのうち北極の大陸と島の面積が約800万平方メートルとなっている。地球温暖化は極地氷雪の溶解を加速させ、北極地域の環境変化をもたらすだけでなく、気候温暖化の加速化、海面上昇、極端現象の増加、生物多様性の低下などの問題を引き起こす可能性も高い。しかし、北極氷雪の溶解は北極資源の開発にも新しいチャンスを提供している。2013年8月8日、中遠集団の「永盛輪」商業用船舶が北極海を通過する北極航路での初の試運航を無事に終えた。これは北極北東航路を経由してヨーロッパに到達した中国初の商業用船舶になった。北極北東航路を経由してヨーロッパに到達する航行日数は約33日間で、これまでの航路より12-15日間短縮された。

「地球温暖化は、北極航路の開通を可能にしただけでなく、北極地域での鉱産探査条件の改善にも繋がっている」と趙元芸研究員が語った。趙元芸研究員によると、北極地域では世界9%の石炭資源、及び大量の金剛石、鉄、銅、金、ウラン、ニッケルなどの鉱物資源と漁業資源を有している。世界資源がますます不足していくにつれて、北極地域が秘めている鉱産資源の重要性が顕著になりつつある。

データによると過去10年間で、北極地域のプラチナ族元素の産出量が世界の50%以上を占めており、ダイヤモンド用と工業用の金剛石がそれぞれ26%と28%となっている。そのほか、ニッケル、コバルトとクロムの埋蔵量がそれぞれ22%、21%と15%、また銅、鉄と亜鉛の埋蔵量がそれぞれ8%、7%と18%、そして金と銀は7%と8%となっている。

中国地質科学院鉱産資源研究所の李振清副研究員によると、中国は北極事務の参加者、建設者と貢献者として、積極的に北極地域での石油や天然ガス、鉱産などの非生物資源の開発と利用に取り組むべきだとしている。

また趙元芸研究員は、「中国の鉱業企業や科学研究所が北極鉱産資源の収集を強化し、鉱業政策をフォローし、企業にサービスを提供するべきだ。同時に、北極地域の生態環境が脆弱で、地球温暖化に対し敏感であるため、中国を含めた関係国はエネルギー構造を変え、グリーン発展を守り、温室効果ガスの排出量を削減することに取り組むべきだ。また、科学技術に携わる人々も気候変化に基づく研究を強化し、自然災害の減少に努めるべきだ」と指摘した。(編集HQ)

「人民網日本語版」2019年1月23日

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