米映画配給会社「ソニー・ピクチャーズ・クラシックス」はこのほど、中国の巨匠・張芸謀(チャン・イーモウ)監督の新作「帰来」の北米、ラテンアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどでの配給権を取得したと発表した。同社は近年、海外の映画の配給にも力を入れており、北米での高い競争力を誇る。大連晩報が報じた。
張監督の「上海ルージュ(原題:搖啊搖! 搖到外婆橋)」(95年)、「初恋のきた道(原題:我的父親母親)」(1999年)、「LOVERS (原題:十面埋伏)」(04年)、「王妃の紋章(滿城盡帶黃金甲)」(06年)、「単騎、千里を走る。(原題:千里走單騎)」(06年)、「女と銃と荒野の麺屋(原題:三槍拍案驚奇)」(09年)などはいずれも、同社が配給してきた。興行成績はまちまちで、2011年の「金陵十三釵(The The Flowers Of War)」は、北米での興行収入が31万ドル(約3100万円)にとどまった。今回再び張監督の作品の配給権を得た同社は、「帰来」の高い興行成績を期待している。
張監督にとって約3年ぶりの新作となった同作品は、国際的なテーマ、スタッフ、キャスティングとなっている。例えば、原作となった小説「陸犯焉識」の作者は、米国在住の華人作家・厳歌苓で、彼女の作品は海外でも大きな影響力を持っている。また、久々の映画出演となった国際派女優の鞏俐(コン・リー)にも注目が集まっている。
これまで海外で高い興行成績を収めてきた中国語映画は主にカンフーや武侠をテーマにした作品だ。また、北米での過去最高の興行成績を記録した海外映画は、台湾の巨匠・李安(アン・リー)監督の「グリーン・デスティニー(原題: 臥虎蔵龍)」(2000年)。2位は、イタリアの「ライフ・イズ・ビューティフル」(98年)だ。そして、3位が張監督の「HERO(英雄)」で、04年8月に北米の映画館約2000カ所で封切られると、興行収入5371万ドル(約53億7100万円)を記録した。
海外メディアの報道によると、張監督はハリウッド進出を進めており、ユニバーサルが製作する2015年公開予定で、ロバート・ラドラムのベストセラー小説を基にしたスリラー 「The Parsifal Mosaic」の監督を務めることが決まっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年2月21日