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昆劇に魅せられて--心が熱くなる芸術--舞踏家・伊藤治奈さん (4)

「龍虎」

 -----伊藤さんにとって昆劇とはどのような存在ですか。

 私にとって昆劇も踊りもそうなのですが、まさに生活の一部になっています。少し大げさな言い方になりますが、踊りがあるからこそ、私は生きていると思っています。

 やはり外国で1人で暮らしていると悲しかったり、悔しかったり、いろいろありますが、今振り返ってみると、私がここに居続けられるのは踊りがあるからなのです。

 辛いとき、悲しいとき、嬉しいとき、どんなときでも、私は踊ることで救われるというか、踊りが私を救ってくれています。変な話、私は1人でも生きていけるのではないかと思えるぐらい、人ではなくて、踊りに救われているという感じがします。だから、踊りが私の人生であり、支えでもあるのです。

 -----本当に踊りが好きなんですね。伊藤さんの踊りからそれが伝わってきます。

 言葉では説明しにくいのですが、踊っていると中国人の友人から「伊藤さんはいい踊りをするね」とよく言われることがあり、「なぜ?」と聞くと、踊ることに「陶酔」しているからだと言ってくれるんですね。

 踊りに陶酔できる、踊りを踊っている間は、何も考えずに、ただただ踊りの中にいる。その瞬間が私にはたまらなくて、快感というと変ですが、すごく好きです。だから、どんなことがあっても踊りに行きますし、踊ることによって、今まで悩んでいたこととか、今まで怒っていたこととかも、その瞬間にぱっと忘れられるというか、踊りがすべてを「浄化」してくれます。

 ■昆劇・少数民族舞踏との出会いから生まれた「夢」

 -----今後、日本に拠点を戻される予定はありますか。

 実は、日本に帰らなければいけないと、本当に毎日のように思っています。なぜかと言うと、日本では母が舞踊研究所を営んでおり、年も70近くになってきて、そろそろ2代目に自分の流派を継続していきたいと思っています。その役目が私なのですが、私がどうしても北京から離れないでいるので、母もすごく悲しがっています。

 でも、日本に帰るのは私にとっては自分の道のためではなく、母のためなのです。それを思うと、私は非常に矛盾していると思います。母のために早く帰りたいのに、自分の中では帰りたくないという思いもあるのです。

 ただ、ここまで15年も好きに北京に居られたのは、母が許してくれているお陰です。母もなんだかんだと言ってすごく厳しい母で、一度も誉めてくれたことがない母なんですが、でもやっぱりどんなに私が母の期待を裏切って、日本に帰国しなくても、母はずっと待ち続けてくれています。その存在自体が非常に有難いなと思いますし、ここまでしてくれた母だからこそ、いつか絶対恩返しをするべきなんだろうなと思っています。

 -----今後の夢を教えて下さい。

 この15年という北京生活を無駄にしないように、中国の少数民族の舞踏や、昆劇の動作を入れ込んだ新しい自分の舞踏を作って、世に発表していきたいと思っています。

 非常に恵まれてた立場なのですが、母がすでに舞踊研究所を日本で開いていて、それを引き継ぐことになっているので、その中で自分なりのスタイルの舞踊を創作していき、講座なども開きたいと思っています。実は昨年、詩吟舞踊に昆劇の要素を入れた創作舞踏を日本で発表したのですが、とても好評でした。

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