「心の早期老化を自認」7割 住宅価格高騰などが原因 (2)
中国社会心理学会の専門家は、「心の早期老化」の原因として、自分に対する期待や要求が高すぎることを挙げている。
専門家は、「今の社会に幅を利かせている『スピード重視』傾向によって、若者は、疲労感とストレスに苛まれている。世の中の絶対的多数が、『一日でも早く金を儲けるべき』『一日でも早く出世すべき』という考え方を信じて疑わない。各地の人気テレビドラマには、「一夜で有名になる」神話を称えるものも多い。このような風潮から、「もうすぐ30歳というのに、自分は何も成し遂げていない」という心配に、多くの人が襲われてしまう。
○「自分の世界」を形成し、エネルギーを家庭に投入すべき
かつてオーストラリアで学び、多くの外国人の若者に接した経験のある専門家は、「外国の子供は、より単純に、純粋に、ユーモアに溢れ、活気に満ちて毎日を過ごしている。中国の子供は、小さい頃から多くの負担を強いられ、あまりにも早く精神的に成熟してしまう。彼らは、『孫子兵法』や『三国志』を読みながら育ち、『権謀の術』に関心を持ち、『若年寄』に変貌する。このような現象について、社会全体はより関心を持つべきだ」と指摘した。
しかし、この専門家は、一部の欧米先進国でも、かつて「若者の早期老化」現象が見られたと指摘する。社会の変革期にある中国では、多くの分野で、早急に解決や改善を必要とする問題が山積みになっている。若者の生活上の危機感や切迫感を和らげなければならず、同時に、社会保障制度などの面でも、さらなる完備を進める必要があるという。
専門家は、「生活の中で『自分の世界』を形成し、親しい友人と、行き詰った情緒やストレスを解放すると良い。また、自分の家庭を何よりも大事にし、エネルギーを注ぐべきだ。『心の避難所』となるのは、結局は家庭なのだから」と提案した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年5月20日