在仏中国人の「成功の秘訣」とは? (2)
在仏中国人が成功した2番目の要因として、団結力と相互扶助力が挙げられる。中国人は「助け合いの精神」を非常に重視している。特に、フランスに移住した中国人の7割を占める温州出身者には、その傾向が強い。フランス華人青年協会の王恵氏は、「私の両親は、20年前にフランスにやって来た。渡仏してすぐに、親戚一家が営む皮革加工工場で雇用され、働き始めた」と語った。裸一貫から身を立て一代を築いたEric Tong氏は、「現在建設中のオーベルヴィリエ・ショッピングモールに入る280店舗のうち、3分の1のスペースは、パリで輸出入業を営んでいる中国人オーナーたちが自分の子供用に確保している」と指摘。中国系企業の就職率は、フランス国立職業安定所のあっせんによる就職率よりずっと高く、3万5千社の中国系企業が15万人の従業員とその家族を養っており、この数は在仏中国人総数の4分の1に相当する。
「相互扶助」は、中国人の貸借システムにも反映されている。商売上の資金繰りにおいて、中国人は同胞を頼る場合が多い。この貸借方式は、「老後資金準備」をモデルに運用されている。つまり、家族や親戚が蓄えたお金を一括してプールしておき、商売で必要になれば、誰でも資金の一部を借用することができる。通常、利息は発生せず、返済期限も設けられていない。
ただし、このシステムを実際に運用するには、相互信頼という土台が不可欠だ。それ以外に、「相互利益」も条件の一つになっている。借金した人は、お金を儲けたら、例えば結婚の「ご祝儀」用資金として、ほかの人のために出資しなければならない。Eric Tong氏は、「一切が、枠にはまることなく柔軟に行われている。万が一、ある人が商売でさらにお金が必要となれば、彼への資金貸与をストップすることはあり得ない。彼が儲けを出すまで、お金を融通し続ける」と説明した。このような貸借方式こそ、中国人ならではの妙策であり、彼らが商売のために銀行ローンを組むなど一切無用である。
在仏中国人の成功の3番目の要因は、中国経済の成長と飛躍に大いに頼っていることだ。フランス現地メディアは、「中国でこれほどの急成長が見られなかったなら、在仏中国人がこのように素晴らしい成功を収めることもなかったはずだ。中国が国家としてメキメキと強大になったことで、在仏中国人に数えきれないほどのチャンスがもたらされた」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月18日