年末報告書の代筆が人気に 機密漏洩やモラル崩壊への懸念も 中国
中国のラジオチャンネル「経済之声」はこのほど、年の瀬を迎え、各企業・機関の職員は1年を総括する報告書の作成に追われている。しかし、何千何万文字にも至る報告書は、職員らの悩みの種。そんな時に活躍するのが「替え玉」だ。中国国営のラジオ局「中央人民広播電台」のウェブサイトが報じた。
中国のインターネット上で「年末報告書の代筆」と検索すると、79万件以上ヒットする。そのうちの多くが代筆専門業者のサイトや中国最大のショッピングサイト「淘宝網」のショップだ。「淘宝網」には計389件の「年末報告書代筆」関連の商品があり、1千文字当たり60-200元(約780円-2600円)で請け負っている。それほど安価ではないが、利用者は決して少なくない。同サイトでも人気ショップとなっているところでは既に、取引成立件数が7000件に迫っている。
代筆を利用する人が増加する一方、職員の信頼も揺るぎ始めている。湖南省長沙市にある企業の蒋・経理は、「代筆は『捏造』であり、職員の自分の仕事に対する責任感のなさの表れであるだけでなく、モラルにも反する行為。文章スタイルが流暢でなくてもいいので、『偽りの総括』を提出することだけはやめてほしい」と危機感を募らせる。一方、ある専門家も「人に頼んで年末報告書を制作してもらうことには、商業機密が流出してしまうという危険もはらんでいる」と指摘。「年末報告書は必ず、個人業務や会社の商業運営情況などに触れるもので、職員が関連の資料を部外者に渡すとなれば、会社の商業機密漏洩につながる危険な行為」と警告する。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月18日