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興教寺(こうきょうじ) |
西遊記に「三蔵」の名で登場する中国・唐代(618-907年)の訳経僧・玄奘三蔵。その玄奘三蔵の遺骨を保存する五層の舎利塔がある陝西省西安市の興教寺(こうきょうじ)が世界遺産への登録申請に絡んで一部解体されるというニュースが物議を醸していることについて、中国宗教事務局の報道官は11日夜、「関連の報道を把握しており、法に基づき適切に処理する」とコメントした。人民網が伝えた。
■宗教局「法に則り適切に処理する」
宗教局の公式サイトは11日夜、「宗教局はメディア報道について十分認識しており、陝西省宗教局に実地調査を実施し、状況を把握するよう求めた。また、現地関連部門と協力し、仏教界を含む関係各方面から意見を聴き、関連法規・政策規定にもとづき、適切に処理する方針である」と発表した。
■市文化財局「古建築物かどうかは無関係、寺院側の希望は十分尊重」
西安市文化財局の公式サイトは11日、「興教寺の世界遺産申請関連状況についての説明」を掲載した。これによると、玄奘三蔵の遺骨が納められている仏舎利塔(興教寺塔)はすでに、「シルクロード中国区間・第一弾世界遺産申請リスト」に組み入れられているという。西安は、中国国内でも多くの文化遺産が集中している重要地域であり、世界遺産の保護に関する要求に基づき、同地域の各種遺産の保護・管理を強化する必要がある。建築物の規模がかなり大きく、極めて密集していることから、興教寺塔が周辺の環境と調和しているとは言い難い。そこで、保護計画要求にもとづき、この塔を取り壊した後、僧侶の生活や宗教行事が滞りなく行われるよう、西緯村内に移転先を選定し、再建する計画を進めることで、寺院側と意見が一致した。これについて、社会各界で熱い議論が巻き起こり、中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」では、ネットユーザーによる「取り壊し反対」運動が続々と湧き起こっている。
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