○分析:根本的原因は「歴史に対する姿勢」
河南省実験高校で2年歴史を担当する劉向峰先生は、「高校の歴史教科書では、南京大虐殺について記述されたページは確かに多くはなく、教科書全体に占める割合はあまりにも少ない。これでは、学生たちの記憶に残らない。さらに、現代の生活はペースが速すぎるため、ほとんどの人が、過去の歴史に対する認識を疎かにしてしまう」との見方を示した。
河南大学歴史文化学院の趙金康教授は、次の通り指摘した。
歴史を専攻している大学生でも、そのほとんどが南京大虐殺の歴史についてあまり多くを知らないが現状だ。その直接原因は、歴史教育を疎かにしていることだが、根本的な原因は、歴史に対する我々の姿勢にある。
たとえば、ユダヤ人の受難の歴史について例をあげると、彼らは第二次世界大戦中にナチスドイツに殺害された仲間の個人情報、行方、死亡した場所などに関する完璧な統計データを持っている。このような正確で信頼に足る証拠を突きつけられると、ドイツ人は一切反論などできない。ところが、我々中国人は、「大体30万人」という言い方しかできず、一体どこの誰が犠牲になったのかを知るための正確な統計資料は存在しない。歴史に対峙する姿勢がいい加減であれば、歴史問題において受け身的な態度になり、記憶も曖昧になる。正確で客観的な事実と統計データ・資料との間に大きな隔たりが生じると、多くの人が「はっきりと、しっかりと頭に刻みつける」という選択を放棄してしまう。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月20日