北京市社会科学院は19日、「出産願望に関する流動人口と戸籍人口の比較研究報告」を発表した。これによると、「2人目を出産したい」という願望は、北京戸籍を持つ市民に比べ、北京戸籍を持たない流動人口の方がずっと強いことが明らかになった。同報告は2011年、もと東城区にあった10カ所の街道から無作為に抽出した20の住宅地、および通州区の街道15カ所から抽出した28の住宅地の住民を対象として実施された調査をもとに作成された。新京報が報じた。
○「子どもは2人欲しい」と答えた北京戸籍の世帯は4割弱
「理想的な子供の数は?」との問いに対する流動人口の回答は、「2人」が最も多く50.8%、「1人」が45.7%でそれに続き、「子どもは要らない」答えた人は2.9%、理想的な子供の数は平均1.49人となった。
一方、北京戸籍を持つ市民の回答を見ると、「子どもは1人で良い」と答えた人の割合が最も高く、51.5%に達した。続いて「2人」が38.3%、「子どもは要らない」が9.5%、理想的な子供の数は平均1.3人。これらの結果から、北京戸籍を持つ市民は、「子どもは一人で良い」という考えが最も普遍的であることが判明した。
○戸籍人口より出産願望が大きい流動人口
「2人目を出産したい」という願望は、戸籍人口より流動人口の方が明らかに高く、流動人口では48%で、戸籍人口を16.6ポイント上回った。
流動人口の文化的な素質のレベルはさまざまであることから、理想的な子供の数についてもかなり異なっている。文化的な素質の高低で見ると、基本的に「両端が高く、中間が低い」傾向を呈している。高学歴者、特に大学院卒業者は、2人目の子供に対する願望がかなり高く、理想的な子供の数は1.74人と、彼らより学歴の低いグループより多かった。院卒者と同様、かなり高い出産願望を持っていたのは、小学校卒と中学校卒だった。大学学部卒の人々の「2人目願望」は、他のグループに比べて低かった。
○低出生率が続く北京
専門家は、今回の調査報告について以下の通り分析した。
1970年代半ばから、北京の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子どもの数)は、人口置換水準(人口が増加も減少もしないバランスの取れた状態となる合計特殊出生率レベル)より低い状態で推移しており、低出生率期が続いている。今世紀以降は、合計特殊出生率は1人未満の超低出生率の時代に入った。戸籍人口だけではなく、流動人口も、希望する子どもの数が激減しており、流動人口にとっての「理想的な子どもの数」は平均1.49人と、世代間の人口置換水準2.1人よりはるかに低い。このうち、都市農村部の流動人口が望む子どもの数はわずか1.54人と、農村人口の1.93人を下回った。その他の調査でも同じような結果となっており、出産願望が低下している傾向は、もはや疑いの余地がない。流動人口のうち、はっきりと2人目を望む人は約半数にとどまった。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月20日