トヨタとフォードを比較するのは、どちらも多国籍企業であり、中国市場に進出してから10年以上経ち、製品をめぐる重大な問題に遭遇しているからで、トヨタとフォードの大きさを比べようとしているのではない。実際、トヨタのサービスや消費者に対する態度は、フォードに見習いたいと思わせるものだ。トヨタがなぜ長期にわたり世界一の自動車メーカーの座を維持していられるのか、その原因はここにある。トヨタは米国でも中国でも、消費者に対して賞賛すべき態度を取る。傘下の高級車ブランド・レクサスなどは、高いサービス水準と誰もが評価する態度で、消費者の間に浸透し、一つのシンボルになった。
フォードは中国市場進出以来、平坦な道を歩んでは来なかった。ここ数年は、製品の投入を増やし、生産能力の拡大を急ぎ、フォーカス、クーガ、モンデオ、エコスポーツなどのリニューアル車をうち出しており、中国市場で遅れを取るまいとする決意をうかがわせるが、製品がすべてではない。ましてや製品に重大な欠陥がある時、その企業が誠意ある態度をみせなかったとしたら、消費者はどう思うだろうか。
企業が成功するには、実力ある製品を擁するだけではなく、消費者に対して誠実な態度を示すことも必要だ。中国に、水は船を浮かべることもできるが、ひっくり返すこともできる、ということわざがある。消費者は水、企業は船だ。船がどこまで進むか決めるのは消費者であり、時には船をひっくり返すのも消費者だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年3月20日