スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は17日、世界の通常兵器取引に関する新たな報告書を発表した。報告書は8ページで、2009~13年の世界の武器輸出入の重要な動向の概略を説明。その前の5年間(2004~08年)の統計との比較も行った。輸入ではアジアとオセアニアが過去5年間の全世界の武器輸入の47%を占め、08年までの5年間と比べ7ポイント増加した。欧州の割合は21%から14%へと引き続き下がった。最大の武器輸入国は依然インドで、全体の14%を占めた。次が中国とパキスタンでいずれも5%、アラブ首長国連邦とサウジアラビアが各々4%だった。輸出では米国(29%)、ロシア(27%)、ドイツ(7%)が依然上位3位。中国(6%)がフランス(5%)を抜いて4位になった。環球時報が伝えた。
「アジアが引き続き世界の武器輸入をリード」が、17日付各メディアの報道の見出しとなった。共同通信は「輸入の上位5カ国はインド、中国、パキスタン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア。装備の近代化を進める湾岸諸国から2カ国が入った」と報じた。フランスメディアは「インドは2009~13年に、08年までの5年間と比べ武器輸入量が111%増加した。同時期にパキスタンの武器輸入量は119%増加し、世界全体に占める割合は2%から5%に高まった」と報道。「インドとパキスタンという積怨を抱く南アジアの国家間の軍拡競争は依然激しい。中国は今や英仏と並ぶ軍需産業大国だ」と指摘した。
中国の武器輸出の増加も注視されている。米誌ビジネス・ウィークは17日付で「1年前、中国は英国を抜いて、過去60年間で初めて世界の武器輸出で上位5カ国に入りした。そして現在、中国はフランスも抜き、4位になった」と報じた。SIPRIの報告書によると、2009~13年の中国の主要武器・装備輸出は2004~08年と比べて212%増加し、世界の武器輸出に占める割合は2%から6%に上がった。2009~13年に、中国は35カ国(主に中低所得国)に武器・装備を供給。4分の3近くをパキスタン、バングラデシュ、ミャンマーに輸出した。報告は軍事科学技術の急速な発展が中国の武器輸出増加の大きな原因と指摘した。2013年にNATO加盟国のトルコは地対空ミサイルを購入する際、欧州、ロシア、米国ではなく中国のシステムを選択した。