米国に本社を置く多国籍企業フォード・モーターの「クーガ」が3月15日の「世界消費者権利デー」のイベントに加わらず、膨大な費用をかけて広告を打ったことが、多くのメディアの怒りを買っている。人民日報を含む多くの大型メディアが、長安フォードを批判し、国家質量監督検験検疫総局(質検総局)に資金を拠出して調査を行うよう提案するなどし、こうした動きを多くのメディア、ネットユーザー、企業関係者が「微信」(WeChat)や「微博」(ウェイボー)を通じて次々に広めている。中国経済網が伝えた。
▽長安フォードの何がメディアの怒りを買ったのか
長安フォードのクーガやフォーカスに問題が出現し、特にクーガにはシャフトの破損という深刻な問題が出現した。その問題と長安フォードのオーナーや消費者に対する態度は、このほどたびたび報道されていた。クーガのシャフト破損をめぐる公式の対応は奇妙なもので、前後に矛盾があり、最終的にはリコール(回収)することになった。ナックルが破損したためシャフトも破損したとして、原因を原材料の問題に帰し(業界では設計の問題が疑われている)、消費者は自らの権利を守ることが出来なかった。その後、発売からまもないモンデオでもシャフト破損が起こり、これにフォーカスのオイル漏れへの対処が不十分だったことが加わり、長安フォードのシャフト破損をめぐる一連の問題とその対応は、2013年から現在まで、中国の自動車業界で最も「有名」な事件となり、自動車産業、消費者、オーナーの間で語りぐさとなっている。
こうした事件の過程で、人々が最も理解に苦しんだことは、長安フォードが製品の欠陥に対して繰り返しみせた矛盾した態度だ。クーガのオーナーである凌雲さん(仮名)への奇妙な対応は、人々を驚かせ、疑問を抱かせている。これは成熟した、長い歴史をもつ多国籍が中国市場で取る態度なのだろうかという疑問だ。
態度といえば、4年前に日本のトヨタ自動車が米国と中国の両市場で「相次ぐリコール」や「ブレーキ故障」に見舞われた際に取った態度が思い起こされる。トヨタもフォードと同じく多国籍企業だ。