今年のGDP成長率は7.5% 発展の質重視へ
国務院の温家宝総理は5日に行った政府活動報告の中で、2013年の経済成長指標をうち出し、通年の国内総生産(GDP)成長率は7.5%になるとの予測を示した。成長率予測は2年連続で8%を下回ることになる。「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)に出席した代表や専門家の多くによると、この数字が伝えるシグナルから、国が各地方に対し、経済発展モデルの転換の加速と経済構造の調整に活動の重心を置くよう求めていること、経済発展の速度を強調する方針から発展の質と利益を重視する方針への転換を求めていることがわかるという。また国内経済のバランスの取れた持続的な発展に向けてエネルギーを蓄えることを求めているという。中国新聞網が伝えた。
▽発展の質と利益をより重視
第12期全国人民代表大会第1回会議が5日に開幕し、温総理は国務院を代表して政府活動報告を行った。報告によると、13年のGDP成長率は7.5%、消費者物価指数(CPI)の上昇率は3.5%になる見込みだ。昨年に経済成長率の予測が7.8%に引き下げられたのに続き、今年も予測は8%を下回り、ここから経済成長ペースが鈍化すると同時に、発展の質と利益の引き上げが今後の活動の重点になることがうかがえる。
「新京報」が6日に伝えたところによると、今年の経済成長率予測が7.5%前後に設定されたのは、主に次の2点を考慮してのことだという。一つは、引き続きチャンスをつかまえ、発展を促進する必要があること。もう一つは、科学的発展観の要求に着実に基づいて、各方面を指導して経済発展モデルの転換の加速と経済構造の調整の上に活動の重心を置き、経済成長の質と利益の引き上げに活動の重心を置くようにし、経済の持続的で健全な発展を推進する必要があることだ。
中国経済がモデル転換の時期に入ったことは間違いない。2けた成長が終わりを告げ、世界経済が引き続き低迷状態にある中で、7.5%前後という目標値は現実的だ。中国広播網が6日に伝えたところによると、国家発展改革委員会学術委員会の張燕生秘書長(事務局長)は、昨年は設定された目標は7.5%で、最終的に実現した数字は7.8%だった。今年の目標も同じく7.5%に設定されており、達成するのは実際のところ難しくない。本当に難しいのは経済発展モデルを全体としてより科学的で合理的な方向に転換させることだとの見方を示したという。
国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴常務副院長は、「7.5%前後という目標は、潜在的な成長率とほぼつりあったものだ」とした上で、経済成長ペースは速ければ速いほどよいというものではなく、経済の法則に合致しなければならず、潜在的な成長力を十分に考慮しなければならない。2011年第1四半期(1-3月)以来、成長率は7四半期連続で鈍化し、経済に構造的な減速がみられるようになった。12年第4四半期(10-12月)にはやや回復したが、これは中国経済が新たな高度成長期に入ったということではない、と述べた。