中国式道路横断、経済学から分析
約1カ月間の「慣らし期間」を経て、北京市は6日より「中国式道路横断」の罰金による取り締まりを開始した。新華網が伝えた。
「中国式道路横断」はなぜ再発してばかりなのだろうか。その原因は、経済学によってうかがい知ることができるかもしれない。
中国検索エンジン最大手の百度が提供するオンライン百科事典「百度百科」によると、「中国式道路横断」とは、一部の人による集団的な信号無視を皮肉った言葉であり、まさに「みんなで渡れば怖くない」という状態を示している。
「経済学、公共財政と庶民生活」の筆者である范存会氏は、「道路を横断する人は誰もが最短の時間で横断することを目標としている。しかしこの目標を実現するためには、自動車にはねられ負傷・死亡する危険性というコストを払う必要がある」と指摘した。
しかし「中国式道路横断」は集団で道路を横断するため、個人が自動車事故に巻き込まれる可能性が大幅に低下する。個人が判断する突発事故のコストが、道路横断の利益を下回るかそれと同等の場合、人々は「猪突猛進」することになる。
「中国式道路横断」の罰金処分は、集団による信号無視をターゲットとしたものだ。各地は現在、先に信号無視をした人を処罰する手段を取っている。中南財経政法大学の社会発展研究センターの喬新生主任は、「最初に信号無視した人だけを処罰し、他の人をその対象としなければ、法執行のコストが上がり続けるだろう。これは一人目を探し出すことが困難であり、仮に探し出したとしても一人目が不快に感じ受け入れがたくなるからだ」と語った。