復旦大学、「曹操の遺伝子」に関する疑問に回答
復旦大学歴史学系および現代人類学教育部重点実験室の共同研究チームはこのほど、曹操一族のDNA研究の最新成果を発表した。その内容によると、曹操一族のDNAが100%特定され、曹操が漢相・曹参の末裔ではないことが証明され、同時に曹操が夏侯氏からの養子として育てられたという説が覆された。関連論文は学術誌「人類遺伝学報」に掲載された。同情報が発表されると、次のいくつかの疑問点が示された。北京青年報が伝えた。
◆疑問その一 曹操一族のDNA特定の意義とは?
一部のネットユーザーからは、曹操一族のDNA特定の意義とは何かという疑問があがった。
復旦大学の研究チームの一員である厳実氏は、「現代人類学実験室は、中国・東アジア・全世界の民族の起源と移住の問題に関する研究を続けている。分子生物学の方法とDNAを用いることで、歴史・考古学が答えられなかった有史以前・以来の問題に答えることができる。これらの研究の意義は、歴史学や考古学と同じく、私たちは何者か、私たちはどこから来たのか、私たちはどこに向かうのかといった問題に答えることができる」と指摘した。
◆疑問その二 調査対象となった曹姓の家系図は信頼できるか?
同チームの専門家は全国各地の258組の曹姓の家系図を全面的に整理・研究し、古文書や地方志を参照し、曹氏の移住に関する手がかりを求めた。さらなる研究により、同チームは家系図を持つ8組を特定した。古文書の分析により、一定の信頼性を持つことが明らかになった曹姓の人々のDNAを検査した。複雑なY染色体の分析により、そのうち6組の家族のY染色体がO2-M268型であった。これらの遺伝子サンプルの共通の先祖は1800−2000年前まで遡れるが、これは曹操が生活していた時代だ。