中国地質科学研究院が5日発表した情報によると、同院の国家地質実験・テストセンターが開発した6種のチベット高原・三江源地域の土壌成分分析標準物質(以下、同物質)が、このほど国家質量監督検験検疫総局により、国家一級標準物質と認定された。この一連の標準物質の標準値の確定は、中国が極地化学成分分析標準物質システムを初歩的に構築したことを意味する。これは地球の環境資源・環境汚染、環境変化の観測・予測にとって、重要な意義を持つ。光明日報が伝えた。
三江源地域はチベット高原の中心地で、長江、黄河、メコン川の源流がある。三江源地域は世界で標高が最も高い天然の湿地であり、標高が高い地域に棲息する生物が世界で最も多様な地域だ。過酷な自然条件、脆弱な生態系を特徴としており、3大河川の中流・下流、南アジアとの間に重要な関係を持つ。同物質の成分は73種に達し、三江源地域の生態系を巡る地球化学調査、サンプルの試験結果の有効性・信頼性・比較・トレーサビリティの需要を満たし、中国の分析実験室の関連サンプルの一定量分析能力を大幅に引き上げる。また同物質の確定された標準値は、三江源地域の環境を巡る地球化学ベースライン標準として使用され、チベット高原や三江源地域などの生態が脆弱な地域で、鉱産物資源の調査・開発、生態環境の研究を実施する上で、効果的な技術面のサポートを提供する。
この科学研究成果は、国家地質実験測試センター標準化研究チームの、南極海沈積物成分分析標準物質、北極海沈積物標準物質に続く、極地環境地球化学標準物質の開発の重大な進展であり、中国が極地地球化学成分分析標準物質システムを初歩的に構築したことを意味する。専門家は、「これらの標準物質は、典型的な地球化学の景観を特徴とし、豊富な成分を持ち、量・数値が正確で、幅広い応用の可能性を持つ。中国の地球化学調査の研究、生態環境などの分野で重要な役割を果たすだろう」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年5月7日