地域別にみると、三線都市や四線都市により大きな開拓の可能性がある。先に淘宝網が発表した「全国県域地区ネットショッピング発展報告」によると、12年は県地域に暮らす人のネットショッピング件数は一人あたり平均54回で、一線都市・二線都市の39回を超えた。これに比例して、平均購入金額も県地域が一線・二線都市を上回った。
同報告によると、淘宝の成功の理由には中国で小売システムが十分に発達していないこともあるという。国家統計局が発表したデータをみると、12年の小売の伸びのうち59.8%は一線・二線都市以外の地域によるものだった。これまでの小売システムでは三線・四線都市の消費者は非常に限られた商品しか選択することができなかったが、淘宝モデルが地域的な制約を取り払ったため、これまで身を潜めていた購買力が急速に発揮されるようになったといえる。
▽ネットショッピングが買い物の習慣を変える
阿里巴巴の募集文書には次のような数字も書かれている。13年末現在、淘宝では800万のサプライヤーが7億9600万点の商品を販売しており、商品の品目は100、種類は2千に及ぶという。
同報告によると、ネットにつながる環境さえあれば、淘宝では基本的に好きな時間にほしい商品を買って、希望する場所に送ってもらうことができる。バーバリーの高級トレンチコートもあれば、中国農村の婦人のハンドメイドの布靴もあり、ごく少数の人にしか買えないがヘリコプターも売っていれば、街を走り回って力仕事をする人が乗る三輪車もある。
豊富な種類、大量の商品の存在が、中国の消費者を世界にも真似できないような消費者にしている。中国の消費者はいつでもどこでも8億点近い商品を800万のサプライヤーから自由に選択することができるのだ。ほとんどの商品を複数のサプライヤーが取り扱っているため、消費者はどの店舗から買うかを選択することができる。こうして店舗同士が競争するようになり、中国のネットショッピング店舗のサービス水準は向上を続けている。