ブルーカラーの給与額、ホワイトカラーを上回る　北京 (2)

○ブルーカラー給与基準の市政府指導ライン、昨年大幅に上昇

北京市人的資源社会保障局（人力社保局）がこのほど発表した「2014年度90職種給与指導ライン」によると、発電所当直職員、運搬業従事者、西洋パスタ料理人、鋳造作業員など36種のブルーカラー職の年平均給与額は軒並み5万元（約81万8千円）以上と、昨年を大幅に上回った。たとえば、発電所当直職員の場合、年平均給与額は10万2959元（約168万3千円）、月給にすると8580元（約14万円）と、昨年の5569元（約9万1千円）に比べ5割以上増加した。

○ブルーカラー給与額激増の三大原因

市人社保局担当者は、「各業界の最前線で働く人々の給与が激増した要因のひとつとして、市場の需給バランスが考えられる。飲食サービス業や在宅サービス業などは、各業界の最前線ポストだ。2年ほど前から、北京の高すぎる生活コストゆえに、求職者は北京よりも天津や河北での就職を考えるようになり、ある程度高い給与額を提示せざるを得なくなった」と指摘した。

比較的「ローエンド（低級）」の職種に就く人が高給待遇を得る理由について、赶集網高級品担当のマネージャーの王氏は、「高給が得られるローエンド職について、さらに踏み込んで分析すると、▽職種自体の見栄えが良くない（宅配便ドライバーは汗にまみれて仕事をしているなど）▽大変キツイ仕事である（発電所の当直員に夜勤シフトがあるのは当たり前）▽技術に熟練していなければならない（ラーメン料理人の月給は1万2千元だが、調理に熟達していなければならない）――という3つの特徴が見られる。さもなければ、これほどの高給を得ることは難しい」とコメントした。

また、王氏は、「ローエンド職は高給、という昨今の傾向が、今後ますます顕著化するだろう。米国のドラマに登場する配管工は大変人気が高いが、彼らは中産階級だ。キツイ仕事に取り組むと高い報酬が得られるという図式は、社会が生み出した知的労働者と肉体労働者との所得格差を縮める方向性を示すものであり、社会の進歩の一つの現れといえる」と強調した。（編集KM）

「人民網日本語版」2014年6月20日