単層カーボンナノチューブはグラフェンが一定方向に沿い曲がることによって出来た中空円筒で、巻き方によって金属導体もしくはバンドギャップの異なる半導体になる。これはカーボンナノチューブの優れた特質だが、その製造に大きな課題を突きつけてもいる。一般的な方法により作られた試作品は、いずれも異なる構造のカーボンナノチューブによって構成された混合物であり、単一の単層カーボンナノチューブの選択領域成長が一つの難題となっている。人民日報が伝えた。
北京大学化学・分子工学学院の李彦氏が率いる研究チームはこのほど、その解決策を見出した。同チームはタングステン合金の触媒を生成した。この触媒のナノ粒子の融点は非常に高く、単層カーボンナノチューブの高温環境下でもその結晶体の構造と形状を留めることができる。このタングステン合金ナノ結晶を触媒とすれば、特定の構造を持つ単層カーボンナノチューブを作ることができる。この研究成果をまとめた論文は26日、ネイチャー誌に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月27日