「中国金融政策報告(2014)」のデータによると、システム内シャドーバンキングの規模は15兆元を超える。システム外シャドーバンキングの統計は困難だが、その規模は、システム内シャドーバンキングよりは明らかに小さい。
「商業銀行に対する監督管理は主にバランスシートに基づく。そのため銀行・信託会社の協力による資産運用から銀行による財テク、銀行間融資まで、貸付資源をバランスシート内からバランスシート外に移しさえすれば、関連規制を回避できる。これが中国のシャドーバンキングが発展してきた主な道筋だ」。中国社会科学院世界経済・政治研究所国際投資室の張明室長はこのほど、人民日報に掲載された署名入り記事で、シャドーバンキング発展の道を描いてみせた。中国のシャドーバンキングの発展は、規制の間隙を突こうとする商業銀行の「規制のアービトラージ」を動因とする。さらに深い原因としては、銀行を中心とした従来型の融資ルートが実体経済発展の需要を満たすことができないことが考えられる。
▽各部門が規制を強化 専門家「リスクは制御可能」
シャドーバンクの爆発的拡大に伴い、資金の行方や監督管理の効率、運転資金のズレ、リスクの防止などへの関心が高まっている。
中国建設銀行チーフエコノミストの黄志凌氏によると、シャドーバンキングの評価にあたっては、中立的で客観的な立場から出発し、従来型融資の空白を埋める役割を評価すると同時に、存在する問題を直視し、潜在的なリスクを整理する必要がある。
黄氏によると、中国のシャドーバンキングは銀行が主導するもので、大部分は規制対象とすることができる。銀行業監督管理委員会は、財テク業務に占めるハイリスクの非標準資産や流動資産の比率などに明確な規定を設けている。信託貸付のリスク資本は純資本の制約を受けている。融資担保業務に対しては厳格な線引きがなされ、貸付金の放出は認められていない。PE(プライベート・エクイティ)投資も、証券監督管理委員会などのその他の監督管理体系によって規制されている。