中国は世界2位の経済体、世界最大の輸出国だ。人民元国際化に向けた中国の取り組みにより、中国の貿易額における人民元建て決済の比率が高まっている。これは紛れもない事実だ。新京報が伝えた。
中国人民銀行(中央銀行)は中国建設銀行を、ロンドンでの人民元決済銀行に指定した。人民銀行はさらに6月29日、フランス銀行およびルクセンブルク中央銀行と覚書に調印し、パリとルクセンブルクの人民元決済銀行を確定した。人民銀行はこれまで、中国銀行フランクフルト支店を、フランクフルトでの人民元決済銀行に指定している。6月27日にスイスを訪問し、スイス国立銀行(中央銀行)総裁と財相に歓迎された人民銀行の周小川総裁は、中国系銀行のスイス支店で人民元決済に取り組みたいと表明した。
欧州では、イギリス・フランス・ドイツ・スイス・ルクセンブルクの金融センターが、人民元オフショアセンターの争奪戦を展開している。
人民元の世界での普及はまだ限られており、その換金率はインド・ルピーに遠く及ばないほどだ。国際化の程度が低く、世界の決済において人民元の姿を見ることは少ない。しかし中国は世界2位の経済体、世界最大の輸出国である。人民元国際化に向けた中国の取り組みによって、中国の貿易額における人民元建て決済の比率が高まっている。これは紛れもない事実だ。
人民元の自由な交換が完全に実現されていない中、人民元オフショア市場とオンショア市場には三つのつながりがある。まずは、貿易決済だ。中国の対外貿易(貨物とサービスを含む)は、人民元決済と自由な流出・流入を選択できる。中国のクロスボーダー貿易人民元決済の開放を進めていけば、人民元決済額が拡大される。次に、直接投資だ。中国での投資がますます利便化・規範化されており、中国の海外投資も増加している。中国の海外投資額は昨年、1776億ドルで記録を更新した。最後に、金融市場だ。国内市場と国際市場はまだ完全につながっていないが、一連の措置が講じられるに伴い、人民元還流のルートがますます増え、スムーズ化するだろう。
これは人民元国際化がまだ実現されない中、欧州の各金融センターが人民元オフショアセンターの争奪に乗り出している理由だ。