こうしたミニサイズ物件はここ2年ほどの間に香港で流行するようになった。その最も直接的な原因は、面積が小さくて価格が安いことにある。不動産価格が長らく高止まりしている香港では、こうしたタイプの物件は豊富な資金をもたない不動産購入希望者にとって唯一の選択肢になる。嵐山プロジェクトの超小型物件の場合、最低販売価格は165万香港ドルで、価格はよくある50平方メートル前後の2LDK物件の半分以下だ。不動産仲介業者が営業活動でいみじくも言い当てたように、ミニサイズ物件はまさに「低所得者への福音」だ。
注目すべきは、こうした蚊サイズマンションを買う人の多くは、初めて不動産を購入する独身者か子どものいない若い夫婦だということだ。
香港城市大学の曽淵滄教授はこれまでたびたび文章を発表して、超小型マンションの建設を提唱してきた。「多くの独身者にとっては、ホテルのシングルルームのような空間があれば十分で、これまでの設計でよくみられた3人以上のファミリー向けで2-3の居室があるタイプの物件は、豊かとはいえない独身者にとって空間の浪費以外の何ものでもなかった。スーパーマーケットなどに行けば電子レンジで温めて食べられる食品がたくさん売られており、ターゲットは料理をしない独身者たちだ。こうした独身世帯の増加は時代の大きな流れだ。よって長江実業に続いて、他の不動産開発業者もこうした流れに乗っていくことは確実とみられる」という。
蚊サイズマンションはますます件数が増え、ますます面積が小さくなっている。ここには超小型住宅に対する需要の増大が反映されているだけでなく、香港不動産市場がこれまでの豪邸志向から、購入者のニーズがより多く主導する市場へと転換しつつあることが映し出されている。サイズがますます小さくなり、価格もこれにつれてますます低くなり、若い人々の硬直的な需要を満たすことは、不動産市場がより健全化することであり、朗報だといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年7月31日
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