北京市にある明代の皇帝、后妃の陵墓群「明の十三陵」の定陵(第14代皇帝の神宗万暦帝の陵墓)から出土した文化財約3千点は、発掘から50年あまりの時を経て、今年の年末、これまで保存されていた地上の平屋から地下の倉庫に移されることとなった。京華時報が伝えた。
定陵の地下宮殿は、初めて国家計画に基づき考古学発掘が行われた古代皇帝の陵墓で、十三陵の中で唯一発掘された場所。1956年から始まった定陵の発掘により、明の神宗万暦帝・皇后の副葬品3千点あまりが出土したが、条件が限られていたため、これらの貴重な宝は定陵の付近に建てられたいくつかの平屋に保管されていた。
十三陵特区事務所文物科の胡漢生氏は、「平屋では温度や湿度を一定に保てず、文化財へのダメージが大きいため、十三陵は2012年、約3千万元(約5億円)を費やし、面積2435平方メートルの地下文化財倉庫を建設した」と語る。
同事務所所長の雷濤氏は、「新たな倉庫内には最新の消防・セキュリティ・空調設備が備えられ、文化財の安全と、湿度・温度面の要求を満たせる。空間的にも以前の場所と比べて約4倍になった」と語る。
このほか、倉庫の棚も新しい物と交換され、それぞれの文化財に合った容器をオーダーメイドで作成。文化財をより安全かつ安定的に保管できるようになった。
雷氏は「新たな文化財倉庫は1年あまりの試験を経て、今年年末に正式に使用される。3千点あまりの文化財は年末までに地下の新居に引っ越すことになる」と語った。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年8月29日