河南省信陽市息県で発見された、3500年前の商王朝の沈没船が、2年間にわたる脱水・浸漬処理を完了した。これは独木舟(一本の木をくりぬいて造った舟)保護の重要な一歩だ。新華社が伝えた。
これは中国で発見された中で最大の、保存状態が最も良好な独木舟で、2009年7月に息県郊外の淮河の西岸で発見された。全長は9.28メートル、幅は最大0.78メートル、高さは0.6メートル。舟全体が一本の木によって出来ており、分析の結果、熱帯の紅花天料木(Homalium hainanense Gagnep)であることが明らかになった。この種は江淮地区 (長江中下流域)ではすでに絶滅している。
独木舟は発見後、信陽博物館に収蔵され、2012年より脱水処理を開始した。独木舟が淮河に数千年沈んでいたことから、舟の含水率は200−300%に達し、脱水処理を実施しなければ長期保護が不可能であった。濃度の異なるポリエチレングリコール(PEG)水溶液を使った舟の保湿・浸漬処理は、ハイテクな「入浴」とも言える。
今後は強化・修復作業、防菌・殺菌などの処理を実施する予定だ。保護作業は全体で5年以上の時間が必要で、この作業が終了次第、古代沈没船の全貌が人々に明かされることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年8月8日