中国の月探査機「嫦娥」が打ち上げられ、中国製の地下鉄車両が米国に輸出されるなど、中国製品は近年、ハイエンド市場への進出が相次いでいる。革新駆動型発展の実現と、世界的な影響力を持つ科学技術革新センターの構築を目指す上海市では、各大学の研究者が科学技術の革新的な成果の転化に取り組み続けている。2014年中国国際工業博覧会では、これらの研究者による様々なハイテクプロジェクトが展示された。新民晩報が伝えた。
◆ロケットのコア部品
上海交通大学、8年間の取り組みで技術的難題を解消
宇宙船などの巨大な物体を宇宙に送り込むためには、強い動力を持つロケットエンジンが必要だ。ロケットエンジンの中には、10以上の密閉型タービンブリスク類部品が含まれる。この部品は耐熱合金礎材を直接加工する必要があり、製造技術が極めて複雑だ。上海交通大学機械・動力工学学院の趙万生教授の研究チームは8年間の取り組みを経て、一連のコア技術を把握し、「6軸連動デジタル制御放電加工装置」の開発に成功し、これに使用されるCAD/CAMソフトウェアを開発し、同部品の製造に全面的な技術ソリューションプランを提供した。
このハイエンド製造技術は各国の航空機・宇宙事業用エンジンの製造メーカーの核心的な競争力であり、中国はこれを技術導入により入手することが不可能だ。上海交通大学の研究チームは産学研の緊密な連携により、研究成果の実用化に成功し、中国の戦略的製品の製造の安全性を高めた。
◆宇宙用冷凍庫
上海理工大学、低温記録を更新
神舟8号、9号、10号の打ち上げ成功により、宇宙飛行士が宇宙医学実験に使用する各種サンプルを保存する宇宙用冷凍庫が宇宙に進出した。これは上海理工大学の張華教授が率いる研究チームの、知恵と汗の結晶だ。