韓国最大の化粧品メーカーのアモーレパシフィックは近く、全面的な中国市場開拓に乗り出す構えだ。上海市嘉定区の新工場が稼働すると、アモーレの中国での生産能力は現在の10倍に増えることになる。今後は、「マモンド」をはじめとする普及価格帯の商品の販売拡大を目標に据える。環球網が伝えた。
アモーレの普及価格帯の商品には、マモンドのほか、「イニスフリー」や「エチュードハウス」などがある。中心価格帯は100元(1元は約19.4円)ほどで、消費者が気軽に買える価格水準だ。
アモーレは1992年に中国市場に進出し、2002年に上海市に工場を建設して生産を開始した。14年の中国事業の売上高は4500億韓国ウォン(1ウォンは約0.1円)に達する見込みで、売上高全体の約10%を占める。アモーレは中国市場が今後年間41%の高度成長を維持するとみており、20年の売上高を3兆ウォンとする販売計画を立てた。
中国の化粧品市場は引き続き拡大するとみられる。日本の資生堂の試算によると、中国化粧品市場は中国の国内総生産(GDP)の伸び(7%以上)を1〜2ポイント上回るペースで持続的に伸びていくという。
化粧品市場の拡大は主として中産階級によるところが大きい。資生堂は都市に暮らす20歳以上で年収3万元以上の女性を「化粧人口」と位置づける。11年の中国の化粧人口は1億4千万人で、20年には倍以上の3億3千万人に達することが予測される。
これまで化粧品を使用するのは都市に暮らす裕福な女性に限られており、フランスのロレアルや日本の資生堂といった世界的に有名なメーカーが人気を集めていた。だが中産階級の拡大にともなって、新興の韓国化粧品メーカーに商機がめぐってきた。長らくテレビで韓国ドラマが人気を博していることも、韓国企業にはプラスに働いた。人気ドラマ「星から来たあなた」でヒロインが使用したラネージュの口紅は爆発的な売れ行きをみせ、「(ヒロインを演じた)チョン・ジヒョンと同じ口紅」という広告コピーをあちらこちらで見かけた。
資生堂は円安の影響で円建ての成長率が上昇したが、実際の伸びではアモーレに及ばない。今後は日韓の化粧品大手の競争がますます激しくなることが予想される。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月3日