〇男性のシンクロ、「笑果(効果)」に大きな期待
シンクロと聞けば、誰もが、美しく優雅な体つきの女性選手による水上での美しい演技を思い浮かべる。実は、芸術性や美の極致が追及されるこの競技を行う男性は、欧米諸国では少なくない。男子シンクロの試合もかつて開催されたこともある。
早くは1998年、米国では、スミス君という青年が、女性選手に混じってシンクロのトレーニングに励んでいた。スミス君の卓越した才能を認めたのは、米国シンクロチームの監督を務めたことがあるクリス・カヴェル氏だった。カヴェル氏は、「彼は女性より女性らしい。男性であるがゆえに国際大会に出場できないことは、彼にとって大変残念なことだ」と話した。
2009年、第1回男子シンクロナイズドスイミングW杯がイタリアで開催され、12カ国の選手が参加した。世間の注目を集める目的で、出場した男子選手は、ウェアに工夫を凝らし、大きな水泳パンツ姿で演技に臨んだ。様々な模様の大きな水泳パンツ姿で演技を行う姿は、大きな笑いを誘い、競技会場全体が喜びと楽しさに包まれた。さらには、「男子のシンクロでは、滑稽さが美に取って代わった」と指摘する観客もいた。男子シンクロナイズドスイミングが国際大会として認められるよう、過去に何度も試みられたが、その提案はことごとく却下されていた。