■旧日本軍の犯罪行為を示す揺るがない証拠となった多岐にわたる史料
記念館の朱成山館長は、「文化財は歴史に関与してきたものであり、いずれのほかの材料などに取って替わるようなものではない。これらの史料は、自らの経歴や存在でもって、人々の魂の奥底の感性に訴える材料を提供している」と語る。
魯さんが記念館に寄付した文化財の多くは中国国内で初めて目にする貴重な紙の文化財だ。寄付された写真の中には、旧日本軍が撮影した慰安婦の写真や、南京陥落後の旧日本軍の南京生活のスナップ写真、国際メディアが撮影した旧日本軍に占領された南京の様子を撮ったオリジナル写真なども含まれる。中でも、雑誌「Ken」では南京にとどまった米国人による「THE SACK OF NANKING」と題された南京大虐殺の歴史について記されたものもある。朱さんは、「魯さんが寄付した文化財の種類は大変豊富で多岐にわたり、そのうち、イタリア、カナダ、フランスなどのメディアが中国を侵略した旧日本軍の当時の暴行について報道しており、記念館の空白を埋める、大変研究価値のある史料となっている」と語った。
旧日本軍が南京大虐殺を行った犯罪行為の物証の中で、米国籍華僑の陳さんが寄付した世界で最も早くに南京大虐殺を記録・報道した写真がある。これは、1938年5月16日に米国で発行された雑誌「ライフ」に掲載されたもので、1937年12月13日に旧日本軍が南京で行った南京大虐殺についての記載もある。朱館長によると、この物証は、当時南京に滞在していた米国人ヨハネが現場で撮影したもので、別の国で掲載されたものだという。これは、旧日本軍の当時の暴行を記した証拠であり、最も有力な物証であるという。