林保全氏を偲んで、ファンが写真と生前に演じた役柄を集めた。 |
広東語版「ドラえもん」を見て大人になった広州住民なら、「ドラえもん」の親しみやすい声を覚えていることだろう。しかしその声ももう聞くことができなくなった。「ドラえもん」の声優をつとめた無線テレビのベテラン職員、林保全氏が2日早朝、死去した。享年63歳だった。娘の林芷筠さんによると、2日8時ごろ起床すると、父親がぐったりとした様子だったといい、眠っているうちに亡くなったと見られる。病院に運ばれた時にはすでに反応がなかった。無線外事部副総監の曽醒明氏は、関連部門と家族ともに対応にあたっている。信息時報が伝えた。
林保全氏は1971年に無線テレビの声優部門に入社、1992年にはアジアテレビジョンに移ったが1994年に無線テレビに戻った。数多くの作品の声優をつとめたが、中でも最も印象深いのが「ドラえもん」だろう。彼は生前に「ドラえもんがこれほど人気を集めるとは以前は思わなかった。達成感があると言える。しかし当時演じる時は大変だった。子どもらしくするためによく高い声を使うに苦労した。後に知ったが、日本での声優は女性だったそうだ」と語っている。
今年旧暦の新年に香港で上映する最新のドラえもん映画「Stand By Me ドラえもん3D」の声優も林保全氏がつとめている。非常に効果のよい同作品は、彼の遺作となった。同作品の予告編で「ドラえもん」は「僕、もう本当に帰っちゃうよ!」というセリフがあるが、このセリフが本当になってしまったとファンは嘆く。
また「ドラえもん」の友人「のび太」の広東語版声優を演じた盧素娟氏も2006年にガンで亡くなっている。今、「のび太」と「ドラえもん」の声優は天国で再会を果たした。(編集YH)
「人民網日本語版」2015年1月4日