▽原因:主にWTOの決定を履行するため
原料情報を提供する百川資訊の杜帥兵レアアースアナリストは、「このたびのレアアース輸出割当の廃止には、主に中国がレアアースをめぐる訴訟で敗訴したことが影響しており、予想通りだ」と話す。世界貿易機関(WTO)は昨年3月に中国がレアアース、タングステン、モリブデンの関連製品に対して採用する輸出割当、輸出許可証、輸出価格制限などの措置がWTOの関連規定に合致していないとの仮決定を下した。中国は上訴したが、8月に下された最終決定で、WTOは中国のレアアース輸出政策はルール違反だとの見方を引き続き示した。
▽影響:国際レアアース価格は短期的に値下がり
商務部国際貿易経済協力研究院国際市場研究部の白明副部長は、「短期的には、政策が開放された後にレアアース価格は小幅の低下に直面するが、長期的な価格の動きはやはり需給によって決まるもので、国内企業に大規模なダンピングの現象がみられれば、レアアース価格にかかる圧力は相当なものになる。だが全体としてみれば、今回の輸出割当廃止が国際市場のレアアース価格に与える影響は限定的だといえる」と話す。
実際、これまでは輸出割当政策があったにもかかわらず、ここ数年、国内のレアアース企業は割当を使い切ることなく、割当が余る状況だった。これに世界経済の下振れ傾向、多くの企業が中国以外の国からレアアースを輸入するようになったこと、国際市場ではレアアースの需要がそれほど旺盛でないことなども含めると、輸出割当の廃止が中国企業に与えるマイナス影響はそれほど大きくないと考えられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月6日