日本のソニー、パナソニック、産業革新機構(INCJ)、株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)が共同設立した新会社「株式会社JOLED」が、このほど正式に発足した。登録資本金は81億円に上り、ソニーとパナソニックがもつ有機発光ダイオード(OLED)ディスプレーの研究開発機能を統合し、まずはタブレットコンピューターとノートパソコン向けの中型OLEDディスプレーの研究開発に重点を置き、2017年頃に量産化を実現させる計画だ。「北京商報」が6日に伝えた。
新会社はソニーとパナソニックがもつ世界トップクラスのOLEDディスプレー技術を統合させ、これには印刷を使用した生産技術、透明な非結晶性酸化物半導体薄膜と柔軟性の高いディスプレーの技術が含まれる。また新会社は、グローバルOLEDディスプレー市場のリーダーになることを目標に掲げる。
ソニーとパナソニックが手を結んで新会社を設立するという情報は昨年7月から流れていた。業界では、OLED技術はより鮮明でより薄いディスプレーを実現させるもの、次世代ディスプレー技術であるとして期待が寄せられていた。だが生産効率の低さや価格競争などの影響を受け、ソニー、パナソニック、サムスンは昨年5月にOLEDディスプレーの研究開発への投資計画を放棄。その2カ月後、サムスンが再び名乗りを上げると、ソニーとパナソニックも提携する道を選択し、それぞれの強みを生かして技術連盟を発足させるに至った。
コンサルティング会社の北京奥維市場諮詢有限公司(AVC)黒物家電事業部の董敏部長は、「ソニーとパナソニックだけでなく、サムスンでさえ、これから来るOLED時代を見過ごすわけにはいかない」と話す。だが長年にわたり、OLEDの特許は主に韓国のLGグループの手中にあり、LGは技術を囲い込んできた。これは他のメーカーや業界全体の発展にとって大きなマイナスであり、こうした状態が続けば、LGはかつてプラズマ技術を囲い込んで失敗したパナソニックと同様、OLED技術をプラズマ技術のように「夭折」させてしまう可能性がある。
そこで一部の企業はじっとしていられなくなり、次々に技術提携をスタートさせた。ソニーとパナソニックも「座して死を待つ」わけにはいかず、ライバル関係を乗り越えて手を結ぶことを決め、OLEDディスプレーでのLGの独占的優位の打破を目指すことにした。これからOLEDディスプレー技術をめぐり、LG、サムスン、ソニーとパナソニックの間で激しい競争が展開されるとみられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月7日