日本の電子製品大手パナソニックの津賀一宏社長はこのほど米国で行われた家電見本市のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)の会場で、「パナソニックは海外で設立した洗濯機などの家電工場を日本国内に回帰させ、新たにアジア地域に向けて日本で製造された家電製品を輸出する」と述べた。津賀社長は海外に分布する工場を日本のどこに移すか具体的に明らかにしていないが、ドラム式洗濯機の工場は静岡県袋井市に、電子レンジの工場は神戸市に移すとみられる。パナソニックは現在、中国に100社を超える関連会社を設立しており、家電業務を大規模に国内回帰させれば、中国が最も大きな影響を受ける可能性がある。「北京青年報」が伝えた。
パナソニックの中国法人は移転のうわさについてコメントを出していない。「北京青年報」の取材で明らかになったところによると、パナソニックが家電の生産を大規模に国内回帰させることは、短期間で実現できることではない。中国に設立した家電工場の一部は引き続き生産能力を拡大しており、すぐに撤退する様子はみられないという。家電産業ウォッチャーの劉荷清さんは取材に答える中で、「家電メーカーにとって、生産の移転は小さなことではない。特に一部の戦略的な生産基地を動かすというのは一朝一夕ですぐに実現できることではなく、何度も論証を繰り返して初めてリスクを最小限に抑えることができるものだ。戦略的な調整ということを考えれば、パナソニックは一部のハイエンド家電製品を回帰させ日本国内生産に切り替える可能性はあるが、家電の生産全体を回帰させる可能性は低い」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月13日