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「体験」通じて相互理解促進--笹川日中友好基金運営委員長インタビュー (4)

人民網日本語版 2015年01月15日08:17

▽世代を越えて受け継ぐ交流活動

尾形氏は過去30年で200回余りにわたって中国を訪れてきた。中国に対してはまさに大国であるという印象を持っている。初めて中国を訪れて北京の故宮と長城に行った時には、中国の古代文明のスケールの大きさに圧倒され、「日本はなぜこのような(輝かしい文明を持った)国と戦争を起こしたのか」と思った。中国と日本はいずれも「漢字圏」に属し、文化的にも近い。歴史を振り返っても、日本は中国から多くのことを学んできたし、近代には中国も日本から多くを学んだ。中国と日本は本来、相互理解の容易な国同士であるはずだ。

尾形氏は、恩師の笹川良一氏が鄧小平氏との会談で語った言葉を今もはっきりと覚えている。「世界平和にとってはアジアの安定が重要だ。アジアの安定にとっては中日関係の安定が重要となる」。鄧小平氏はこの見方に賛同し、この一致が笹川日中友好基金設立の前提となり、尾形氏が中日友好交流に携わる上での信念となった。

笹川日中友好基金の今後の目標について、尾形氏ははっきりと、中日両国の交流を絶えず推進していくことだと語った。国民は一代一代と入れ替わっていくものであり、国家と国家の間の交流は長期的に持続させていかなければならない。相互理解はそれぞれの代の人々が絶えず推進しなければならないものだ。日本の首脳は時折、歴史問題についての言論で物議をかもす。だがそれで交流活動を停めてしまっては、中日関係の発展はますます困難となる。尾形氏は、日本は歴史を正視し、隣国と世界のほかの国々と交流し、ともに繁栄を求めていかなければならないと考えており、ほとんどの日本人は同じように考えているはずだと語った。

▽尾形武寿氏略歴

日本財団の笹川良一会長と1984年に初めて中国を訪れて以来、財団の関連部門を率いて対中友好交流事業に尽力してきた。中日最大の民間交流基金「笹川日中友好基金」の設立に中心となってかかわる。中国の10大学の優秀な若者に対する奨学基金の設立、中国の市長の訪日交流プログラムや中日防衛人員の交流プログラム、中国人医師を養成する笹川医学奨学プログラムの展開、中国の大学への日本語研究図書の寄贈事業の推進などを行ってきた。中日関係が谷間に陥った時には、中国の多くの大学で講演を行い、中国の若者に日本人の考えを説明し、中日間の民間交流の重要性を訴えている。2014年、笹川日中友好基金運営委員長に就任。(編集MA)

「人民網日本語版」2015年1月15日


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