統計によると、27日までに全国の23省・自治区・直轄市が2014年のそれぞれの国内総生産(GDP)のデータを公表している。西蔵(チベット)自治区以外は年初に設定した目標値を達成出来なかったが、13省・区・市は通年の前年比増加率が第1~3四半期(1~9月)の前年同期比増加率を上回った。専門家は、「これまでの一部の先行指標と合わせて考えると、昨年下半期の安定的成長に向けた政策のてこ入れを背景として、2015年初頭の中国経済の成長ぶりはさきに一連の機関が予測したような全面的低下にはならないと考えられ、市場がかねてより期待を寄せる預金準備率の引き下げもこのため延期される可能性がある。特に指摘しておかなければならないことは、今はまだ地方の財政予算報告を公表していない省・区・市が複数あるが、財政支出を拡大して安定成長を確保しようとするのが現在の基本的な流れだということだ」と話す。「経済参考報」が伝えた。
今年初め、市場は今年度の経済成長に悲観的な見方を示し、特に第1四半期(1-3月)の経済データは全面的に低下すると予想した。だが地方の発展状況や1月の一連の先行指標と合わせて考えると、年度初めの状況は予想よりも好調だ。このほど公表されたHSBC(香港上海銀行)の1月の製造業購買担当者指数(PMI)の速報値は49.8ポイントで、市場の予想値の49.5ポイントを上回り、昨年12月の確定値49.6ポイントも上回った。中国国際金融有限公司は、「HSBCのPMIデータは2015年の初めの月に(経済が)安定に向かっていることを示した」とコメントする。
国泰君安証券の任沢平チーフマクロアナリストは、「1月のその他の高頻度データは喜ばしいものもあれば残念なものもあり、HSBCのPMI速報値と基本的に一致する。第1四半期のGDPの同増加率は7.1%で、通年の経済は安定的に推移するとみられる」と述べた。また中国交通銀行金融研究センターの唐建偉シニアマクロアナリストは、「2015年の中国経済を牽引するトロイカ(輸出、消費、投資)は『1つは上昇し、1つは安定し、1つは低下する』とみられる。輸出はやや回復し、消費は安定を保つが、投資の伸びの鈍化が経済成長を押し下げ、2015年のGDP増加率は2014年をやや下回り、現在の予想では7.2%前後になる」と述べた。
市場の予測はなぜこれほど悲観的なものになるのか。北京大学経済研究所の蘇剣・常務副所長は次のように説明する。「今みなさんが短期的なマクロ経済情勢を分析する際には、需要にのみ注目して供給に注目しないことが多い。これはマクロ経済学の分析における伝統でもあり、常用される方法ともいえる。だが短期的なマクロ経済分析において、供給を考察に入れれば、中国の2015年の経済情勢は予想されたほど悲観的なものにはならない。2015年は需要が縮小する可能性があるが、供給は2つの良好な要因に直面している。一つは中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の開催以降、国が多くの計画をスタートさせ、改革措置のもたらすメリットが2015年に徐々に効果を現すとみられることだ。もう一つは2014年6月以降、国際原油価格が持続的に下落していることだ。これは中国企業にとっては好材料だ。私たちのマクロ経済研究チームの試算では、原油価格が40%下落すると、総生産コストが1ポイント低下する」。