尾形光琳『八橋図』六曲屏風
尾形光琳は、後代に「琳派」と呼ばれる装飾的大画面を得意とした画派を生み出した始祖であり、江戸時代中期を代表する画家のひとりである。主に京都の富裕な町衆を顧客とし、王朝時代の古典を学びつつ、明快で装飾的な作品を残した。その非凡な意匠感覚は「光琳模様」という言葉を生み、現代に至るまで日本の絵画、工芸、意匠などに与えた影響は大きい。「琳派」は大和絵の伝統を基盤として、豊かな装飾性·デザイン性をもち、絵画を中心として書や工芸を統括する総合性、家系ではなく私淑による断続的な継承、などが特質として挙げられる。
講師紹介:
金靖之 上海博物館·学芸員。日本習院大学で日本美術史を現況。江戸時代の絵画の研究に専念。2008年から上海博物館に勤め、「千年丹青」、「漢韵和風」など特別展示会を企画した。
東方ネット 2015年2月2日