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北京で日本の茶道「裏千家」を体験

人民網日本語版 2015年01月16日13:45

今年初雪となった14日の午後、中日のニュースを伝えるメディア関係者である筆者ら一行は、北京にある日本の茶道流派の一つ「裏千家」の出張所を訪れ、日本の茶道を堪能した。人民網が報じた。

戦国時代から安土桃山時代にかけての商人、茶人である千利休は当時、文化や政治の世界において大きな影響力を誇った。千利休は、美に対する意識や禅の精神を基礎にした理念で、簡素簡略の境地、すなわち「わび」の精神を重んじた「わび茶」と呼ばれる茶の湯の一様式を完成させ、現代茶道の基礎を築いた。そんな千利休から、「表千家(不審菴)」が家督を継ぎ、今では、分家の「裏千家」、「武者小路千家」と合わせて「三千家」と呼ばれている。うち、茶道諸流派中最大の流派として活躍しているのが「裏千家」で、世界34カ国1地域107カ所に海外出張所・協会があり、会員数は約40万人となっている。

北京の「裏千家」は、中日交流センター4階にあり、茶室の入口には、小さな日本庭園がある。茶室は小さく、簡素であるものの、非常に上品な雰囲気が漂っていた。壁に掛けられた掛け軸や、飾られている花、屏風などからは、「わび」の精神が垣間見られる。実際の茶道は、点心(懐石料理)、濃茶、薄茶などを含み、約4時間かかる。筆者らは今回、薄茶と菓子を体験した。

日本の茶道には、亭主の茶席への入り方、お茶の点て方、お茶の出し方などに、細かな決まりがある。また、客側にも、お菓子を食べる際の挨拶の仕方やお茶の受け取り方など、各段階に細かい規則がある。中国のお茶の飲み方とは異なり、「裏千家」では、お茶を飲む時に「和敬清寂」の精神を重んじる。そのため、お茶を飲む際、亭主と客、客と客の間に会話はほとんどない。

あまりに厳格で、現代人からすれば「つまらない」と感じるようなこのような様式が、今でも尊ばれ、多くの会員を誇っているのはなぜなのだろう。「裏千家」の北京総代表・宗蘭さんに聞いた。

「『茶道』は、普段の生活の中で飲むお茶とは異なる、非日常的な行為。指の先まで、決まりがある『茶道』において、お茶を点てながら、茶碗の肌触りを確かめて、陶芸家の匠の心を感じ、茶室に飾られている季節の花を観察することで、自然の美しさを感じることができる。茶道の世界に浸っているうちに、感覚が研ぎ澄まされ、お湯の温度が85度になった時の音を聞き分けられるようになったり、花を飾る際の2ミリの差を感じたりすることができるようになる。そして、少しずつ、他の人の苦しみを感じたり、他の人の感情を尊重したりすることにつながっていき、謙虚で丁寧な態度がうまれる。これが『礼』の根本となっているもの。茶道は修行の一つで、素養を磨くことができる」。

宗蘭さんは、「茶道も他の多くの伝統文化と同じく、習う人が年々減少するという現実に直面している。良い文化は、全世界で受け継がれるべきだ」と指摘する。

「茶道」を体験して15分も経たないうちに、筆者らは完全に足をしびらせてしまい、1時間半の体験中、何度も姿勢を変えた。一方、宗蘭さんは、常に正座を崩さなかった。茶道に打ち込んで19年になるという宗蘭さんの、話し方や振る舞いからは、人を魅了する謙虚さがにじみ出ていた。「19年も続けられたのはなぜか?」という質問に、宗蘭さんは、「命には限りがあるが、学ぶことには限りがない。茶道の文化は400年以上受け継がれ、文化のさまざまな分野に影響を与えている。それを学ぶことに始まりはあっても、終わりはない」との格言を述べた。(編集KN)

「人民網日本語版」2015年1月16日


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