高速鉄道の急速な発展は旅行などが便利になるだけでなく、中国の経済勢力図そのものを大きく変える。高速鉄道を使えば、朝のお茶を広州で飲んで、昼に武漢でラーメンを食べて、夜に北京で北京ダックを食べることも可能になった。
京広高速鉄道は渤海経済圏、中原経済圏、武漢経済圏、長株潭経済圏、珠三角経済圏をひとつにつなぐ。それによって沿線の6の省や市にある26都市の都市化、工業化、情報化が急速に進む。また蘭新高速鉄道、貴広高速鉄道、南広高速鉄道によって新疆ウイグル自治区、青海省、甘粛省、広西チワン族自治区がつながれ、それによって発展の遅れた中西部地区と東部地区との間のヒトとモノの移動が活発になる。2015年、中国の高速鉄道の総延長距離は1万8000キロに達すると予想され、高速鉄道の開通によって人々の生活はますます大きく変化していく。
【広西チワン族自治区】~ネットワーク化で競争力強化~
広西自治区の南寧と広州を4時間で結ぶ南広高速鉄道は、ビジネスマンや旅行客、学生たちの人気の的だ。高速鉄道ができる前は13時間を必要とした路線である。現在、1日18本のダイヤが組まれている。
南広高速鉄道という、この鉄道大動脈は広西自治区の経済を大きく押し上げる役割を果たす。鉄道路線の都市がそのまま経済ベルトを形成し、そのネットワーク化は一段と優れたものになる。南広、柳南、衝柳、沿海の各高速鉄道が接続されることで、海や国境に接しているなどの広西自治区の地理的特性がより生かされ、経済社会発展のための競争力が一段と強化されることが予想されている。