日本の各百貨店は、中国人観光客を迎え入れるため、最近相次いで社員向けの中国語講座を開催し、売り場で必要な中国語会話を教えている。また、ある百貨店では、売り場のスタッフに中日電子辞書を配布し、中国人観光客が買い物をする際の言葉の障害をできるだけ取り除こうとしている。
中国経済の急激な発展にともない、中国人の収入は増加し、生活水準も高まってきた。このため、中国人の休日の過ごし方の重要な選択肢となってきているのが海外旅行だ。
国土交通省観光庁が発表した統計データによると、2014年に日本に訪れた中国大陸部の観光客数は240万9200人で、前年同期比83%の激増となり、各国の中でも最大の伸び率を記録した。
中国国家観光局東京事務所首席代表の張西龍氏は、「中国の訪日客が大幅に増加した要因は、円安によって日本旅行にかかる費用が大幅に安くなったことによる」と語る。このほかの要因には、「旅行資源が豊富で、買い物環境が良い」「中日航空路線の増加」「日本政府によるビザ発給要件の緩和」「東南アジア旅行ブームの落ち着き」があげられるという。
日本政府および各企業が中国人観光客を熱く歓迎する最大の要因は、中国人観光客の圧倒的な購買力にある。そのため、日本の個人消費の低迷を打開しようと、さらに多くの中国人観光客の訪日を期待している。