(14)日本人はなぜ「愛している」と言うのが苦手なのか?
日本のドラマを見るのが好きな人であれば、たいてい気付くはずだ。主人公の男女が出会って恋に落ちても、大きな声で「愛している」と叫ぶことはほとんどない。たいていは、意味ありげに「好きだ」というぐらいだ。「愛」という言葉は、明治時代のキリスト教徒たちが日本に伝えたもので、日本人にとっては外来語にあたる。多くの日本人は、特に文学の世界に生きる日本の作家の概念では、愛と恋の定義はまるで異なる。「愛」の定義は広範で、男女間の愛情は、「恋」の要素が大きい。