(16)日本人はなぜ体裁を気にするのか?
欧米などのキリスト教やイスラム教などの宗教国家では、神が絶対的存在であり、人々は神の教えに背かない言動をとってさえいれば、心安らかでいられる。一方、日本は一国で多くの宗教を持ち、一家で多くの神をまつる、多神教の国だ。日本人は子供が生まれると、子供を神社に連れて参拝し、子供が大人になると、神社や教会で結婚式を挙げ、亡くなったら仏教の僧侶を招いて法要を行う。日本人が信じる「神」はあまりにも多く、「神」はまるで見えない監視カメラのように、どんなところにも存在する。このため、日本人の日常生活は何を行うにもタブーがあり、どんなときでも体裁を保つことが大事であると考えるようになった。